人間には、煩悩(ぼんのう)があります。
「心の中で、ほしい・おしい・にくい・ねたましいと思い、愚痴をいう」ことがあります。この4つの思いで煩悩のほとんどを占めるのだそうです。煩悩の数は「108」で、除夜の鐘は煩悩の数を突く、すなわち「108」回です。107回は旧年に、1回は新年につきます。
この「108」という数のいわれに関しては諸説あります。
四苦八苦の「苦」とはサンスクリット語の「ドゥッカ」。これは「くるしみ」ではなく「自分の思い通りにならないこと」という意味です。
「四苦」とは、生(しょう)・老(ろう)・病(びょう)・死(し)。「生まれて、老いて、病み、死んでいく」こと、これは自分の思い通りにはなりません。「八苦」とは、四苦にさらに以下の四つの苦を加えることから「八苦」といいます。
●愛別離苦(あいべつりく) | : | 愛する人と別れなければならない |
---|---|---|
●怨憎会苦(おんぞうえく) | : | 怨(うら)み合い憎しみ合う人と 出会わなければならない |
●求不得苦(ぐふとくく) | : | 求めても得られない 欲しいものが手にはいらない |
●五蘊盛苦(ごうんじょうく) | : | 肉体と心が盛んなときに、諸欲に自分が支配されてしまう |
生きている人間には煩悩があります。自分でどうにかしようと思っても「思い通りにならないこと」がたくさんあり、人間は悩んでしまいます。
そんなときに、少しでも気持ちが楽になれるような医療をしたいと思います。