医療法人弘仁会 板倉病院

船橋市の機能強化型在宅療養支援病院・救急告示病院
千葉県船橋市本町2-10-1 電話 047-431-2662

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在宅での看取りについて

訪問診療部:久野 慎一

看取り(みとり)とは、患者様のそばにいて色々なお世話をすること、つまり看病を指す言葉です。

厚生労働省によると、2014年に人口20万人以上の都市で在宅死する人の割合が、船橋市では18.7%を占め、全国9位になるそうです。病院ではなく、住み慣れた我が家で最期の時を過ごされる方が増えつつあることが伺えます。

在宅での看取りには、条件があります。
  • ① 患者様と介護するご家族(主介護者様)が在宅での見取りを希望している。
  • ② 延命処置を希望しない。(基本的に自然の経過に委ねる)
  • ③ 家族、他人、業者を問わず、常時介護力を確保する。
  • ④ 家族ないし看取る人が、ある程度の理解力を持っている。
  • ⑤ 療養して、看取りを迎えるのにふさわしい環境である。
  • ⑥ 経済的に可能である。
在宅看取り
患者様の希望や状態だけではなく、看病されるご家族様の意思や環境が整う必要もあります。
また、看取りまでの経過は、以下のようになります。(死前教育)

① 身を引く

残された時間が週単位から日数単位になると、様子に変化が見られます。
  • うとうとしているが、呼ぶと目を開けて反応する。
  • 食事の量が減り、頬や目のやせが目立つようになる。→悪液質(カヘキシー)
  • 訳の分からないことを話し、ちょっと興奮して手足を動かす。→せん妄
  • 便や尿を失敗する。

② 最後の踏ん張り

鎮静されていなければ、多くのケースで体内に残った蛋白などをすべて燃焼し、エネルギーに変えて、家族と会話をしたり、食事をしたりなど、最後のひと時を楽しまれることがあります。この時期は、改善ではなく最後の踏ん張りであることを家族に伝えます。

③ 呼吸状態の悪化(→死前喘鳴→下顎呼吸)

  • 呼んでもさすってもほとんど反応がなくなる。
  • 大きく息をした後10秒~15秒止まって、また息をする波のような呼吸になる。
  • 顎を上下させる呼吸になる。
下顎呼吸という最後の呼吸です。苦しそうにみえるかもしれませんが、ご本人はすでに意識はなく苦しみはありません。

在宅で看取りをするには、基本的に24時間365日対応可能であって、緩和ケアの技術が十分で実績のあるかかりつけ医と訪問看護師が必要になります。また、在宅看取りを理解しているケアマネジャーの協力も大変重要です。

当院の在宅医療では、無益な延命治療をせず、自然の過程で死に行く患者様を見守るケアを行っています。がん患者様の場合には、痛みに対しての治療や息苦しさに対する治療をして、家族との最後の有意義な時間を作ることを心掛けています。

(2017.1)